2024年8月10日(土)-14日(水)に「街デザイン会議 in 士別」が開催されました!
農業や畜産が盛んで、「羊の町」としても知られる士別市。
天塩岳や天塩川などの自然にも恵まれ、四季を通じて自然と共に過ごすことのできる魅力溢れる田園都市です。
今回のイベントでは「街デザイン(地域活性)」について学びを深めながら、士別を満喫するレジャーコンテンツを実施。
士別市内外の人々が交差し、沢山の交流とアイデアが生まれるイベントとなりました!
本記事では、「街デザイン会議 in 士別」当日の様子をお届けします!
■『街デザイン会議 in 士別』とは
『街デザイン会議 in 士別』は「士別」という街を題材に、様々なテーマをもとに参加者同士で話し合い、「街デザイン(地域活性)」について学びを深め合うことを目的としたイベントです。
誰かを講師とした「教育」を目的とした講座形式の企画ではなく、全員同じ立場で話し合う「学習」を目的とした対話形式の企画にすることにより、参加者全員の意見・思いをフラットな関係で平等に拾い上げます。
今回のイベントでは【SNS・地方誌・スポーツ・お祭り・特産品・自然】の計6テーマについての講義・グループワークを3日間かけて行い、全体を通して生まれたアイデアや気づきを最終日の報告会で発表しました。
■開催ご協力してくださった宿泊施設「エストアール」
また、今回のイベント開催にあたり「エストアール」様にご協力いただきました。
宿泊場としての提供のみならず、、イベント開催場としての提供、地域との連携や告知まで、多岐に渡りお力をお借りさせていただきました。
士別市内外から多くの人が集う、ゲストハウス&カフェバーです。ぜひみなさんも一度足を運んでみてください。
■【1日目】市民ひとりひとりが広告塔|発信×街デザイン
#SNSで出来ることは露出と交流?
お盆真っ只中の開催初日。
士別の夏には珍しく、30度を超える真夏日となりました。
そんな熱い日にぴったりな士別名物「天サイダー」をキンキンに冷やして待っていると士別市内外から続々と参加者の姿が!
「道南でゲストハウス運営に携わる方」や「士別市のおこし協力隊」など多様な参加者が集まりました。
本日からの4日間。対話を通して、どんな化学変化が起きてどんなアイデアが生まれるのか、ワクワクが止まりません。
そして街デザイン会議in士別、ついに開幕!
初日の大テーマは「発信×街デザイン」。
午前中は主催・株式会社東北フリーランスの伊東による「SNS」についての講義からスタートしました。
街デザイン会議は1テーマ2時間。テーマについて講義を通して理解を深める「講義ターム」と、対話を通してアイデアを生み出す「グループワークターム」を行い、学びを深めます。
SNSのテーマではSNS運用に成功している自治体を例に成功要因を分析。
グループワークでは、実際にある「士別観光協会」のInstagramアカウントを題材に、現状抱える課題から運用アイデアや発信方法をディスカッションしました。
移住希望者をターゲットにした運用アイデアやプロフィールの見直しなど様々なアイデアが生まれました!
#流しそうめんで共同作業!
昼食休憩は夏らしい流しそうめん!士別で採れたトマトやきゅうりなどの夏野菜も堪能!
美味しいものを挟むと自然と対話が生まれて、和やかな雰囲気に。
良質な関係が良質な対話とアイデアに繋がることを期待して、午後の部に移ります。
#どこの地域にも必ずある地方誌
午後のテーマは「地方誌」。
士別市の地方誌「広報しべつ」の制作・編集を担当する吉田航さんにきていただき、地方誌について1から学びます。
「地方誌はあくまでも市民のためのもの。情報が届けば、市民のひとりひとりが広告塔になれる。」と語る吉田さん。
市民が自分の街の魅力を理解することで、情報がさらに伝播していく。
そんな想いと吉田さんの仕事にかける熱意や流儀を受け取り、グループワークもヒートアップ。
地方誌を自分ごととして捉えてもらうため、地方誌を手に取ってもらうためにはどうしたらいいのかとそれぞれの意見が飛び交いました。
「広報しべつ」はもちろん、自分の街や他の街。
色々な自治体の地方誌を手に取りたくなる。そんな機会になりました。
■【2日目】運営も参加者もワクワクする企画を|イベント×街デザイン
#マラソンコースをフィールドワーク
2日目午前の講座テーマは「スポーツ」。
メイン会場を飛び出し、「士別ハーフマラソン大会」の実際のコースをフィールドワーク!
「直線コースが長くて辛いかも」
「士別市の特産品が配給であったら嬉しいかもね」
と対話とアイデアが道中も行き交います。
ここでは初心者でも楽しめる士別の魅力をたっぷり詰め込んだ短距離マラソンやアスリートと泊まれる選手村のアイデアが生まれました。
#ランチのデザートはトマト食べ放題!
沢山歩いて、沢山頭を使ったあとはランチへ。
bakery & cafe cotoriさんの特製サンドイッチを持って水郷公園でピクニック!
発酵するまで一週間もかかる自家製酵母を使用したcotoriさんのパンは焼き上がりまでに10日もかかるそう。
使う材料もこだわり、基本材料は北海道産と地元多寄の「はるよこい」をブレンドした小麦粉、あら塩にてんさい糖のみ。
「毎日食べてほしいから、よけいなものは加えない」という想いの詰まったパンはとっても優しい味がします。
ランチの後は素敵なご夫婦が営むあったかファームさんでトマト収穫体験!
こちらのトマトが本当に美味しすぎるんです!
あったかファームさんが作る農薬不使用で味が濃く、フルーティな味わいが特徴の「きらめきトマト」。
トマトが苦手な参加者も「美味しい!」と口に出てしまうほどの奇跡のトマトです。
その他にも様々な種類のトマトを堪能し、それぞれ気に入った種類のトマトを可愛いケースに入れてお持ち帰りさせていただきました。
#趣味は地域おこし。大学生によるお祭り解説
午後は会場に戻って「お祭り」について学びを深めます。
講座を担当するのはなんと、札幌の女子大学生!
学生というフットワークの軽さを武器に様々な自治体の地域イベントに携わる彼女が語る面白いお祭りとは「真ん中の人がワクワクしていること」。
参加者だけでなく、提案する人、イベントを作る人すべてがワクワクしてしまうイベントが面白いという大学生ならではの明るい視点に大人も納得。
彼女の熱い想いにおされ、ワークでは毎年士別で行われる「国際雪ハネ選手権」を道内の学生と盛り上げられないかという視点で話し合いが繰り広げられました。
当たり前すぎて、忘れてしまいがちな「みんなが楽しいイベントとは何か」を改めて考え直す時間となりました。
■【3日目】街らしさと新しい挑戦。|資源×街デザイン
#やるからには一番を目指す
3日目の午前は「特産品」。
羊のまちと呼ばれる士別では、肉質のよい「サウスダウン種」と、どんな風土にも適応できる丈夫な「ノーフォーク種」をかけあわせた羊「サフォーク羊」が特産品の一つとされています。
3日目の午前は「焚き火キャンプ場 士別ペコラ」にお邪魔し、しずお農場の山下社長にお話を伺いました。
サフォーク羊の成り立ちやキャンプ場の方針など熱く語ってくれた山下社長。
繰り返し言葉にするのは、1番を追い求める重要性でした。
「やるからには一番にならなければならない。そのためには自分が何をすべきかを考え、実行する。そして時には、人を巻き込んでいく。」
逆境の中、たゆまぬ努力で成功を掴み取ってきた山下社長の言葉に参加者も心を震わす瞬間がありました。
#サフォーク羊のジンギスカンに舌鼓
この日の昼食はペコラでジンギスカン!
山下社長のご厚意で士別サフォークのラムもご馳走になりました!
羊独特の匂いが少なく、羊の多い北海道のなかでも高級品として扱われるサファーク羊ですが、歴史や背景を知るとより一層美味しさが増します。
最高のロケーションと最高の食材。
士別らしさが溢れるキャンプ場、ペコラを堪能し、次の会場に向かいます。
#世界の羊に会いに行こう
午後は場所を移動して、士別市の観光牧場「羊と雲の丘」へ。
連日の暑さで羊たちは小屋の中でしたが、牧場内にある「世界のめん羊館」ではいつでも世界中の珍しい羊たちと触れ合うことができます。
羊たちと十分に触れ合った後は、最後のグループワーク。
テーマは自然。3日間の集大成とも言える今回のワークでは士別の穏やかで安らぎがある雰囲気を活かした「士別リゾート」のアイデアも生まれました。
サフォーク羊や満点の星空など士別の自然や食を満喫した参加者ならではの発想。
前日までの具体的な課題解決アイデアとは異なる視点で、士別の新たな未来に想いを馳せる結果となりました。
■【4日目】士別という街をデザインする|街デザイン報告会
最終日は3日間で生まれた街デザインのアイデアの報告会を行いました。
会場はなんと「道の駅 羊のまち 侍・しべつ」。多くの観光客や地元の方が見守ります。
報告会では、3日間で生まれたアイデアを全体で共有。
中には足を止めて話を聞く道の駅利用者の姿もありました。
報告会の後は改めて参加者や地元の方から意見をもらい、アイデアの更なるブラッシュアップを実施。
最後は士別の新たな魅力をグループでディスカッションを行い、それぞれの視点で見る士別の魅力を共有し合いました。
■まとめ
士別市内、道内各地から多くの方にご参加いただいた「街デザイン会議in士別」。
最初の始まりは「北海道移住ドラフト会議」での出会いがきっかけでした。
「士別でイベントをやってほしい」という依頼の中で、街に最大限できることをみんなで考えた結果、街デザインのアイデアや参加者と士別市の繋がりを残せる方式での開催が決まりました。
「住んでいるからこそ見えること」
「住んでいないからこそ気付けること」
異なる視点を持つ参加者の対話から生まれるアイデアはどれも素敵なものばかりでした。
今回のイベントで生まれたアイデアや交流が新しい士別のデザインの一部となることに期待するばかりです。
この記事を書いた人
◼️田村 優奈 Tamura Yuna
1999年生まれ。北海道函館市出身。
共感できる誰かの傍らでせっせと働くことが生きがいの25歳。
新卒から約2年間新卒採用を担当した後、地元にUターン。
現在は市民の交流拠点「函館交流プラザ Gスクエア」で働きながら、誰かの傍らで文章を書いたり、イベントのお手伝いをしたりしています。